急所が分かりにくい局面の寄せ

上図は、角換り腰掛銀からの終盤戦で後手が△3六飛と回った局面。ソフトの評価値+1263で先手優勢。

評価値が1000点以上であればだいぶ差がある局面ですが、対局時は後手陣のどこが急所か分からない感じで、そこまでいいとは思っていませんでした。

後手からは△8六歩や△4九飛成や△5九飛があるので、全く先手は油断できません。

本譜は以下、▲5五桂△8六歩▲3一角△5一玉で、ソフトの評価値+551で先手有利。

▲3一角に△同玉なら▲4三桂成で先手勝ちですが、△5一玉で意外と後手玉がつかまりません。

△5一玉に▲4三桂成が詰めろになっていればいいのですが、△8七歩成▲4二角成△6一玉▲5二金△7二玉▲6二金△8三玉で、ソフトの評価値-9で互角。

この手順は、王手は追う手で良くないパターンのようです。

▲5五桂では▲3一角△同玉▲5一角という筋があったようです。ソフトの評価値+1403で先手優勢。

▲3一角から▲5一角というのは全く見えませんでした。

▲5一角は詰めろではありませんが、▲2四角成と銀を取れば▲2三桂からの詰めろになります。

また▲3三歩成と▲6二角成と金を取る狙いもあります。

▲5一角に△4二歩なら、▲2一歩成△同玉▲4二角成でソフトの評価値+2327で先手勝勢。

▲5一角に△4二角なら、▲2一歩成△3二玉▲2二金△4一玉▲6二角成でソフトの評価値+50000で先手勝勢。

▲5一角に△7七歩なら、▲2四角成△7八歩成▲同銀で、ソフトの評価値+1821で先手優勢。

後手の持ち駒に桂馬がないので、先手玉に詰めろがかからないというのが強みです。

急所が分かりにくい局面の寄せが参考になった1局でした。