受けに迷う手を指す

上図は、後手3間飛車に先手エルモ囲いを目指すも後手穴熊の変則的な戦いで、後手が△9五歩と香車を取った局面。ソフトの評価値-362で後手有利。

後手が香得ですが、手番は先手なので実戦的にはいい勝負です。

本譜は以下▲8五桂△8四銀▲9五香△8二玉で、ソフトの評価値-759で後手有利。

先手は△8四香を打たれる前に▲8五桂としたのですが、△8四銀に▲9五香としたので△8二玉となりました。

一見△8二玉で穴熊から玉を追い出したという感じですが、後手から△8五銀があるので先手が忙しいです。

このような攻めは、見た目ほどあまり効果がないみたいです。

▲9五香では▲9五角があったようです。ソフトの評価値-111で互角。

▲9五角は次に▲8四角があるので、後手は何か対応しないといけません。

△9五同銀だと▲9五同香で、ソフトの評価値+22で互角。

△9五同銀は少し危険な手ですが、短い時間で適当な受けが見えないと実戦では十分に考えられます。

▲9五同香に△9二歩なら、▲9三歩でソフトの評価値+1982で先手勝勢。

▲9五同香に△8二玉なら、▲9四桂△7二玉▲6一銀△同金▲8二桂成△同玉▲6一龍で、ソフトの評価値+4419で先手勝勢。

このような狙いがあるので、後手は△9五同銀と角を取らずに別の受け方をするのですが、実戦の手順より迫力があり、後手は油断できない展開です。

▲9五角と後手が受けに迷う手を指すのが、勝負手としてあると分かった1局でした。