攻め駒を攻めて優勢

上図は、角換り腰掛銀からの進展で後手が△6三歩と打った局面。ソフトの評価値+1036で先手優勢。

対局時は、先手の銀と桂馬が後手陣を攻めて、持ち駒に角があるのでだいぶ先手がいいと思っていました。

ここからどうやって優勢を拡大するかがポイントになります。

本譜は▲3三歩と打ったのですが、この手はあまり良くなかったようです。

▲3三歩は3筋の歩が切れているので、筋と思って打ったのですが、後手は▲3三歩を取らずに△6四歩▲3二歩成と進行しました。

▲3二歩成に△同銀と取ったのですが、△3二同玉だったら、ソフトの評価値+646で先手有利とはいえ、まだ大変だったようです。

守りの金をぼろっと取らせるのは考えにくいところはありますが、後手の陣形はバランスで守っており、△2三銀と△2一桂と△6二金と△8一飛が意外と連携が取れています。

このあたりが将棋の難しいところで、守りの金をとってうまく行っているようで、意外と大変というのがたまにあります。

先手の▲3三歩では、▲5三銀成があったようです。

▲5三銀成△同金▲同桂成△同玉▲7二金で、ソフトの評価値+1087で先手優勢。

▲5三銀成から清算すると、金と銀桂の交換で先手が少し駒損になり、さらに▲7二金と打つのが全く見えない筋です。

1目▲7二金は重たくて打てない感じですが、これが意外といい手のようです。

▲7二金に△8四飛なら、▲6二角△4二玉▲7三角成でソフトの評価値+1154で先手優勢。

▲7二金に△8六歩なら、▲8一金△8七歩成▲同金△7五桂▲7六銀△8七桂成▲同銀で、ソフトの評価値+1080で先手優勢。

先手は後手玉とか玉の守りの駒を攻めるのでなく、後手の攻め駒を攻めて優勢を拡大しようとする感じの指し方です。

攻め駒を攻めて優勢を維持する指し方が参考になった1局でした。