価値の高い駒を取る

上図は、後手ゴキゲン中飛車に対して先手居飛車穴熊からの進展で、後手が△1七同香不成と桂馬を取った局面。ソフトの評価値+307で先手有利。

対局時は先手がいいと思っていましたが、ここからの進行はまずかったようです。

本譜は以下、▲1七同香△2五桂▲1二飛△1七角成▲4二とで、ソフトの評価値-258で互角。

本譜のどこがおかしかったかというと、価値の高い△3三桂を取らずに価値の低い△1七香を取ったことです。

一般的には桂馬の方が香車より駒の価値が高いです。

ただし、局面によっては駒の価値は変わってきます。

▲4二との局面は、先手が桂損でと金はできていますが、△1七馬が働いているので、互角とはいえだいぶ先手が損をした手順でした。

先手の▲4二とも取れる駒がなく、働きが悪いです。

▲1七同香では、▲3三との方がはるかに良かったです。

▲3三と△1九香成▲4一飛△7一飛▲同飛成△同角▲4一飛で、ソフトの評価値+175で互角。

この展開は、先手が香損ですが、後手は馬が作れていないので、いい勝負のようです。

なお最初の図面が先手有利に対して、最後の図面が互角になっていますが、最初の先手有利もほとんど互角に近い評価値で、+300を超えると有利になるようです。

先手の▲4一飛は、▲3三とが▲4三と~▲4四を狙う手です。

後手は△9五歩からの端攻めをいつするかという感じです。

価値の高い駒を取るのが参考になった1局でした。