終盤のミスで逆転

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの終盤戦で、後手が△3九飛と打った局面。ソフトの評価値+767で先手有利。

駒割は先手の金銀と飛桂の交換でいい勝負ですが、先手玉が穴熊で固いので先手有利です。

このような局面はあるのですが、実際にここからどのように有利を拡大するかが早指しでは結構難しいところです。

本譜は以下、▲6四角△6一香▲5三角成△6九成香で、ソフトの評価値+434で先手有利。

この展開は、後手に△6一香と粘りの1手を与えて△6九成桂と△2三馬と△3九飛が穴熊を睨んでいるので、先手容易ではありません。

▲7一銀と打つ筋はありますが、ちょっとまだ駒不足です。

実戦は▲4五歩と後手の馬道を止めましたが、△2九飛上成でソフトの評価値-370で後手有利となりました。

後手の大駒の活用で逆転したようです。

先手の▲6四角では▲6四との方が良かったようです。ソフトの評価値+768で先手有利。

▲6四とは一瞬先手の角道が狭くなると思われがちですが、△8五歩には、▲7三と△同玉▲6五桂でソフトの評価値+3141で先手勝勢。

▲6四とに△7一香なら、▲7五歩△8五桂▲7四歩△7二歩▲7六香△6九成桂▲6二銀△7九成桂▲同銀△6七馬▲7三歩成△同歩▲同香成で、ソフトの評価値+2965で先手勝勢。

先手は▲7五歩以下細かい手で攻めをつないでいけば、穴熊の玉の遠さもあって有利を拡大できていたようです。

終盤のミスで逆転するのはよくあるとはいえ、気を付けたいと思った1局でした。