読み筋の1つ先をいく


上図は、後手振り飛車に対して先手トーチカからの進展で、後手が△2三歩と打った局面。ソフトの評価値-143で互角。

実戦では先手がだいぶ悪いと思って指していたのですが、評価値を見ると互角だったので驚きました。

後手の△8三銀と△6一金の連携が離れているのが、後手としては少しまとめにくいところです。

先手の角が死んだ形になったのですが、ここからの手順はあまり良くなかったみたいです。

本譜は以下、▲3二飛△7二銀▲4四銀△2四飛成▲5二銀で、ソフトの評価値-243で互角。

先手は角と銀の交換で少し損をしたのですが、▲5二銀と攻める手順です。

もちろんこれで後手が圧倒的に優勢ということはなく、△5二同金▲同飛成△7三角でソフトの評価値-213で互角ですが、受け方がさっぱりします。

この手順は後手の読み筋通りのような感じで有利な方は、分かりやすい手順が間違いが少なく安心します。

▲3二飛では▲2二飛があったようです。ソフトの評価値-207で互角。

▲2二飛は対局時は一瞬浮かんだのですが、△7二銀▲2三飛成△3五銀▲同角△2三飛成でまずいと思ってやめました

しかし、▲3五同角で▲3三角成があり、以下△2三飛成▲同馬で、ソフトの評価値-165で互角。

この互角は銀と桂馬の交換で少し先手が損していますが、▲2三馬が結構大きく、後手は△3五銀が少し遊び駒になっています。

この展開は後手もあまり考えていない筋と思われるので、意表を突くという意味でも心理的に優位に立つことができます。

読み筋の1つ先をいく▲3三角成が参考になった1局でした。